光通信回線の工事は、たくさんのお客様宅に出向いて作業する工事なので、工事中のトラブルやめんどうなこともお客様に関連することがほとんどです。
お客様とケンカをした経験はありませんけれども、あまりに度がすぎた応対についつい「あなただけでやれ!」と叫びたくなった工事の体験談なんです。
その日は、まだ8月の中頃の工事でものすごく暑い日の工事でありました。自分自身は、いつもみたいに他の工事員と2人で光通信回線の工事をしに、問題となるお客様宅に足を運びました。
工事のお伺い前には、100パーセント開始するにあたり「これから訪問します。」という事前連絡を入れることになりますが、ほとんどのケースではこの電話の時に、お客様の世代や性格がわかるようになります。おとなしい方なのか、人を見下したような態度を取る方なのか見極め、工事中の言葉使いをかえてみたりとか、出来るかぎりお客様にちょうど良い応対の仕方に気を付けてます。
事前連絡の時に、40才台の男の人で、ちょこっと個性の強い方だよなあとは感じていたのですが、その直感はズバリ言うとぴったり合っていたんです。
工事そのものは、インターネットと光電話だけの工事で、現時点で使用していらっしゃるADSL回線からの乗り換えで、電話番号も番号ポータビリティを活用して引き継ぐ申し込み内容だったのです。
お客様宅に訪問して、おおまかな工事内容をお伝えして、電線から光ファイバーケーブルを建築物に留めて、配管を活用して室内に引き入れました。この段階で、日差しが強い日だったことが理由で、わたくしたち工事員は汗だくだったんですけれど、お客様と奥さまは扇風機をかけて、アイスティーでも飲んで涼しげにしていたのです。
私たちのコンディションを目にして、奥さまが「エアーコンディショナーを付けましょうか」とご主人に確かめたところ、
「いらんやろ。」と一蹴されました。
丁度、原発事故等で電気料金のエネルギー削減の時期だったことが理由で、節電のためであったという見方もできますが、なかなかに気の利かない方だと自分自身は思わざるを得ませんでした。奥さまが気の毒そうにわたくしたちを目にしていたのが忘れることができません。