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水虫の原因と白癬菌を科学的に紹介

2019年11月17日

水虫という病気を科学的に分析するならば、真菌(カビ)の一種である白癬菌が生物に寄生して、寄生先の生物の皮膚組織を食すことによって増殖し、肌荒れを起こしている現象です。
生物の皮膚(角質)にはケラチンと呼ばれる蛋白質が存在し、白癬菌はこれらを栄養源としています。
ケラチンを摂取して生育・繁殖することによって勢力を伸ばし、一方で寄生された生物の皮膚組織は乾燥したり、反対に湿潤状態になってボロボロになってしまいます。
白癬菌をもっと科学的にクローズアップしていきましょう。
黄癬と呼ばれる皮膚病を発症させる黄癬菌や、渦状癬菌などとともに、真菌(カビ)に分類される皮膚糸状菌です。
これまで黄癬菌や渦状癬菌も同様に各地で見られていましたが、現代では私たちに感染する皮膚糸状菌はほとんどが白癬菌とされています。
先述の通り、白癬菌は人間を含むさまざまな動物の角質内にある蛋白質・ケラチンを栄養源とし、皮膚に常駐する常在菌です。
高温多湿な環境を好む菌で、ひとくちに白癬菌と言っても世界に40種類以上もの数が存在します。
日本で私たち人間が感染するのは、全世界の40種類以上の中のおよそ10種類です。
最も頻度が高いとされているのは、トリコフィトン・ルブルムとトリコフィトン・メンタグロフィテスの2種です。
基本的には人間に感染しやすい菌と動物に感染しやすい菌は分かれていますが、中には犬猫によく寄生するミクロスポルム・カニスと呼ばれる白癬菌のように動物と人の両方に寄生する菌も存在します。
水虫菌である白癬菌の感染は、皮膚表面にある角質層という細胞の層に付着することから始まります。
皮膚表面から角質層へと侵入・潜伏するには約24時間かかると言われ、この間に洗い流せば感染することはありません。
洗い流さずに放置して丸一日たつと、皮膚糸状菌という名前の通り根を角質層の奥深くへと張ります。
やがて角質層の中の死んだ細胞であるケラチンを栄養源として、増殖を繰り返してさらに角質層の深い所へと侵入します。
このように皮膚の中を食い荒らすため、皮膚表面がどんどんボロボロになったり、乾燥して硬質化したりといった現象が起こります。
かゆみが発生する原因は、菌が増殖して角質層の下に存在している、生きた表皮細胞に接触するため皮膚に炎症が起こった結果です。
人の皮膚組織は皮膚表面から見て、角質層・顆粒層・有棘層の順に構成されています。
白癬菌が角質層にいるだけではかゆみは起きませんが、増殖してその下の細胞層である顆粒層に達すると炎症を起こします。
この炎症こそが、かゆみの原因です。

水虫の研究と歴史とは

日本国内において「水虫」という病気が登場するのは、江戸時代です。
文献によると、水田に入って作業をする農民や、川に足をつけて洗濯などの作業をする女性の病気でした。
当時は、正体不明の虫が足に宿ってかゆくなると考えたため、水虫という名がついたとされています。
本格的に水虫患者が増え始めたのは、日本人が西洋文化の影響で靴を履く習慣を身につけた明治時代以降です。
ただこの頃の庶民は下駄や草履がまだ多かったため、現代のように爆発的に増加したのは昭和初期とされています。
その原因は軍隊に所属した際のルールである、一日中靴を履くという規則です。
これまで、通気性の良い履き物ばかりだった日本人は、一日中靴を履いて訓練することによって高温多湿の状況を作り出し大流行しました。
当時軍が発行していた雑誌にも、「軍隊における白癬の研究」という記事が掲載されるほどの問題となりました。
その後、終戦によって一時流行は収束したかのように見えましたが、昭和30年代半ばに再び勃興します。
その原因とされるのが、高度成長期の際に流行したナイロン製の靴下です。
男性の靴下の95%がナイロン製になりましたが、当時の靴下は通気性が悪いため一気に流行を加速させてしまいました。
昭和30年代後半にさしかかった昭和37年(1962年)に、日本初であるポリエン系抗真菌薬が臨床で使用可能、つまり治療が可能となりました。
該当薬品は、アムホテリシンBデオキシコール塩酸と呼ばれるもので、50年以上経った現在でも現役の製品です。
昭和54年(1979年)には、より安全性の高いフルシトシンが開発され、さらに平成元年(1989年)には副作用を抑えながらも抗真菌スペクトルの広いフルコナゾールが開発されます。

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